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2010.05.23

ドビュッシー再訪

Dover Publications,Inc.のソナタ集を入手したのでPHILIPS 442 655-2 DEBUSSY・CHAMBER MUSICを聞きなおして発見したのは、ギリシア・ローマ時代の文物への興味ではなかった。
作曲家の内包するリズム感、生涯求めていたものもそれに違いない。
精神世界の深化ということもあるだろう。
けれどそれは結果伴ったので目的ではない。
初期作品である弦楽四重奏曲はカノンやフーガというよりミニマル・ミュージックの萌芽としてのオスティナートだ。しかしそこにはヴァリアントの試みがある。
彼の転調しない音楽というのは、基音を据えることであって変化しないことではない。
ソナタを聞くに連れて彼のダンスを、空間を自在に泳ぐ作曲家の姿を思い浮べる。
日常を舞台へ持ち込んだようなパ(バレエのステップ)で空を切り、足をちょこまかさせる。ディオニソスか牧神か?分からないが彼は踊る、躍る、舞踏(おどる)。
空気か空間を切るようにして不思議な独特の呼吸でスイッチョ、スイッチョ。タタタタッ。
そして譜面の持つこの無愛想さ。ラヴェルの愛想の好さと比べてしまうと、以上のすべてを見失ってしまいそうだ。
(ストラヴィンスキーのスコア・エクリチュールと比べると、その個性は際立つ。)

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Comments

ヴァイオリン・ソナタを書き上げたドビュッシーが出版社のデュランを訪ねて二人は演奏してみる。作曲家は不備を見付けて持ち帰ろうとするが、持ち帰られては作品が散逸してしまうと思った編集者は楽譜を奪い取るようにして出版する。という話を聞いた覚えがある。
比べてみると、チェロ・ソナタの方がこの作曲家にしてはシニカルでもなく闊達なように思える。

Posted by: katute | 2010.08.09 at 11:57 AM

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