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2010.06.06

読書メモ

堀田善衛『オリーブの樹の陰に スペイン430日』
1977-1978の滞在日記。
まずは当時のスペインの物価や気候に驚かされる。
旅費を引いた滞在費としては月平均700ドル(当時〕。新鮮な魚介類が安価に手に入る。
しかし典型的な山岳気候を示し、突風が吹いたり豪雨を降らせたり、一日の内にも目まぐるしく天気が変わり、寒暖差も激しく、それはまるで最近の東京のようで、地元民でさえ日向と日陰の温度差(10℃)に着る物を選べない有様。
『ゴヤ』執筆後の滞在だけに、スペインの歴史的な立ち位置に想いを巡らせ発見をしたりもするが、1970年代後半の日本も外から眺める、割合のんびりした旅の日記だ。

エドワード・サイード『パレスチナとは何か』
ジャン・モアのパレスチナで撮影した写真を並べながらサイード自身がパレスチナを見つめ直す作業を進めるドキュメンタリーのような本だ。
写真を見る。それが写し取った情景を言葉で再度表現する。キャプションを読むのかとばかり思っていると並はずれて陰影の濃い文芸評論、社会批評を目にして驚かされる。
まずは政治や歴史より、記憶に関する著作を全て思い浮べて係るが善い。それからようやく、ふんだんに人間を描いた悲劇喜劇を。
もしかすると、この四半世紀前と現在では、兆しほど、イスラエルを巡る世界情勢は逆転しようとしてるのかも知れない。
パレスチナに興味がない人でも、サイードの文芸批評は読んでおくべきと、今更に思う。もっと早くに知っておきたかった。

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