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2010.06.21

読書メモ

どういう意図で、これらを並べたか知らない。
死者の世界にある意識が生者の世界へと緩やかに帰還する足取りを窺うようにして、「しりとり」遊びの手法で主題が少しずつ前進しては後戻りながら、次の作品へとバトンタッチする。
あるいは『落葉』では、輪郭を貼り直したために歪んでしまった絵のように複数の人物から見た、彼らの世界の出来事として語られる物語は、作品世界の謎を積極的に明かそうとはせずに、いつも逸脱してしまう。
物語の「語り直し」という手法で、物語を固めつつ、周辺を描き込む。けれど物語は語られているのかは謎なのだ。何しろ読んで判るのは、それぞれに語られた物語は、時間と空間を前後しながらも、それぞれを背景としては、物語をキチンとはめ込めない。互いの輪郭線が合っていないからだ。
読み始めている内にアナートリイ・キム長編おとぎ話『リス』や『アウステルリッツ』を思い出していたが、ページを閉じる頃に内田百けんも懐かしく思い出していた。


ガブリエル・ガルシア=マルケス『落葉 他12篇』

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