Tilo Medek:チェロ協奏曲1番
独奏チェロによる小品がふたつ併録されたcpoリリースのアルバムで初めて知った作曲家だ。
意欲的なアヴァンギャルドな作風で全編に前世紀的な独特の緊張が漲る。
古典形式への挑戦だろう。
それはまさに遅れてやって来た者の姿だ。
表紙に掲げられた“青天の霹靂”と題された絵画は、「青騎士」を名乗ってカンディンスキーが追求した色彩の変換ででもあるかにのように、己を受容器とする姿勢があり、それでいて主張を隠さない。感性というのは受身に過ぎないが、芸術にはその先がある。それを求めようと言うのだ。
作曲家は果敢に挑戦した。前進しようとしたが昔日を懐かしむように聞こえてくるのは時代の方が先へ進んでいるからだろう。
こうして音楽はもはや時代を牽引しなくなった。流行の音楽はビートを強調して胎内回帰を目指す。日常から逃れるための音楽を消費する。
この作曲家は、こうしたことを指摘するように私にそう教えてくれた。
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