心と体

2009.09.26

読了:ジェーン・フルトン・スーリ, IDEO『考えなしの行動?』


ジェーン・フルトン・スーリ, IDEO『考えなしの行動?』

先日の『ブレイン・ルール』の紹介は、一回、書き直してみることにする。 で、今日は、IDEOの人が書いた/撮った、日常の何気無い所作の写真を集めた写真集の紹介。 訳者は有名。写真も面白い。やはり、アフォーダンスは、こういう風に理解するのが、正しいと思う。 でも、専門家向けじゃないので、原書と違って、キャプションは写真に付けましたよ、専攻する学生は原書を読んでねと言われても(ちなみ、原書では、キャプションは巻末にまとめてある)、腑に落ちないだけだがね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.09.22

読了:ジョン メディナ『ブレイン・ルール [DVD付き]』


ジョン メディナ『ブレイン・ルール [DVD付き]』

出版元では、まずは、DVDを見ろとしつこく宣伝しているのだが、図書館にはDVDの貸し出し許可が出ていないとのことで、残念だが、自分はDVDを見ていない。そのうち、DVD見たさに買ってしまうだろう。なお、上のアマゾンのページ(少ないレビューが褒めまくりだが)よりも出版元のNHK出版のページの方が詳しく載っていて大変良い。 この本、意外と話題になってないが、知られていないのか?出版元の知名度のせいか?表紙の巫山戯たオヤジのせいか(著者自身だ)? いずれにしても、大変に勿体無い。 深い所でも浅い所でも、脳科学と言われる分野で出てきた色々な理論を12のルールとして分類解説し、それをどう活かすかまでを、そのルール自体に則った判り易い情報の可視化/多重化でどんどん詰め込んでくる(ちょっと、饒舌)。 ところで、この人、あるところでコンサルティングしてるとか頻繁に書くものだから、只のコンサル業界の人かと思ったが、そうではなくて、歴とした専門家。誠意ある科学者として、断言を避ける所ではハッキリと注意している。表紙の通りのいいキャラのせいか、色々多方面で活躍しているだけだった。 ここは重要な点で、実際、この著者のキャラなのか、真面目過ぎず、下品過ぎず、楽しい読書なのだが、読み返すと、実は、かなり深い範囲をカバーした結果を教えてくれている。アマゾンのレビューにもあったが、色々な学習法の原理がうっかり網羅されてたりして、他の本を読む際のベースが違ってくるのは間違い無い。少なくとも、今まで読んで少し齧ってきた既存の諸々の理論に対して、自分なりに、筋を通すことが部分的にでも出来たので、自分の考えが、読後に変わったのは確か。

目次
運動―運動で脳力がアップする
サバイバル―人間の脳も進化をとげた
配線―脳は人それぞれに配線が異なる
注意―人は退屈なことには注意を向けない
短期記憶―繰り返しておぼえる
長期記憶―おぼえてなお繰り返す
睡眠―たっぷり眠ればよく考えられる
ストレス―ストレス脳はふだんどおりに学べない
感覚の統合―より多くの感覚を刺激する
視覚―視覚はどんな感覚も打ち負かす
ジェンダー―男性と女性の脳はちがう
探検―人はみな生まれながらのたくましい探検家
この目次(アマゾンの)もいいが、NHK出版の各章のまとめを見た方がずっと良いが、文字じゃないので、引用しづらいな。感想は一口で言えば『強く薦める。騙されたと思って、必ず読むこと。』
この後は、長いメモ。

Continue reading "読了:ジョン メディナ『ブレイン・ルール [DVD付き]』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.07.16

これって、幻肢の逆?

無いものをあると思わせたが、あるものを無いと思わせることで治療となるか?
身体内コミュニケーション不全か。

自分の四肢を切断したい人々:BIID症候群と「脳と精神」

(兄:「幻肢の逆」では無いと思う。「あるものを無いと思わせる」のでは治療にはならないだろうな。「そのものがあることを受け入れさせる」必要がある。「無いと思わせ」たら、それは使えない/使わないままになるし。)

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2009.03.17

読了:舞田 竜宣, 杉山 尚子『行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論』


舞田 竜宣, 杉山 尚子『行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論』

2009/03/16読了。 架空の会社を舞台に、行動分析学に基づいて、業務改善を行うストーリー。 詳細は、そらパパの『行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論(ブックレビュー)』を参照された方が良い。 以下は、自分のためのメモ。

・HRビジネスパートナーという職種・職分について
・問題の捉え方:標的行動の定義
・4つの基本随伴性
・(役に立たない弱化)その場面に適切な行動を何も教えない
・VR(変比率強化スケジュール)が、実は、最強の強化スケジュール。ギャンブルにハマる理由がこれ。
・障害児教育の教師達の熱心さの源泉が、「子どものスキル向上」ではなく、100%、「スーパーバイザーからの注目」というのは驚き。
・パフォーマンスマネージメント。鉄則:口約束ではなく文書に残せ。
・シェイピングと甘やかしの違い。
・習慣逆転法(癖に気付いたら、逆の動作を大袈裟にゆっくり行う)
・スキナーは、小学生が算数の基礎技能を修得するには、5万回の強化が必要と言っている。
・行動分析学的フィードバック(これから行う行動のために、その直前に、これまでの過去の行動の評価を行う)
・レスポンデント消去(いわゆる、条件反射の消去)
・コンプライアンスのためのルール支配の再構築(撃墜ゲーム)

Continue reading "読了:舞田 竜宣, 杉山 尚子『行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論』"

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2009.03.06

現代のイニシエイション

先日、後輩に会ったら職場の後輩の話になった。
以前の職場でもあったそうだが、鬱病で出社できないと言う。
それらしい兆候もなく部屋から出られなくなって会社を休むようになってしまうらしい。
同期が訪ねて行って判ったと言う。
今度MRI検査を受けるそうだから自閉症の疑いもあるのか。
(兄:自閉症にMRI検査は不要。MRIで見つかる病変は無い。誤解は早めに解こう。それは普通に、鬱病だ)
そういえば自分もサラリーマン時分に薬を服用してる部下がいた。
上役から何も聞かされてなかったので、ある日いきなり廃人と化して宿直室に臥せってるので驚いた。普段は薬のお陰で通常生活に支障がないので、本人が大丈夫と服用を控えていたのだったが、小一時間で戻って来て、更に驚かされた。そんなクスリ大丈夫なの?
(鬱の薬は、適切な量なら、ビックリする程、効く。今は、医者と相談して量を減らす方向で調整するらしい。昔は、減らすなんてとんでもなかったらしい)

Continue reading "現代のイニシエイション"

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2009.02.19

読了『発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい 』


綾屋 紗月, 熊谷 晋一郎『発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)』

勝手に標語を付けると『研究者・支援者の大多数が定型発達者である歪な(非対称な)状況に、鮮やかなアッパーカットを放つ一冊』。

敢えて、不謹慎を承知で言わせてもらえば、『本当に面白い一冊!』。
自分が本を読む目的の1つに、『未知の世界を知りたい』という欲求があるが、すぐ身近に、とびっきりの、未知の世界があった事を、思い知らされた。

我々は、生まれ落ちた瞬間からその生涯にわたって、自分の体に、閉じ込められている。これだけが基準となって、世界を見て味わって触って、認識している。その内部を当然の如く一般化して、他者と交わっている。
それがどれだけ危うい事なのか。
著者の綾屋さん(成人後に発達障害と判定。熊谷さんは小児麻痺を持った共同研究者)は、それぞれの生まれついた条件で、この世界に取り組んだ結果を元に『当事者研究』の形で、その危うさを教えてくれる。
当事者研究とは、その名の通り、障害を負った当事者が、自分の体で確かめた知見に基づいた研究だ。個人の主観ではないのかって?そうかも知れないし、違うかも知れない。でも、ここに書かれた事は、著者にとっては、紛れも無い事実、世界認識なのだと私は信じる。
信じる理由は、首尾一貫しているから。
世間に流布する『もっともらしいお話』との違いは、この首尾一貫した内容にある。
また、そらパパの理論とも、ADHD等と関係でも、不整合を見出せない事も(自分的に納得する要素として)大きい。
2月19日に読み終えて、色々コピーを取ったりしたけど、まとまっていないので、このまま上げておく。

Continue reading "読了『発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい 』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.02.07

読了『音楽療法士のためのABA入門』


中山 晶世; 竹内 康二; 二俣 泉『音楽療法士のためのABA入門―発達障害児への応用行動分析学的アプローチ』

良い本だ。もっと早く読んでいれば良かったと思う。
音楽療法士の二人が、別々の道を通って、行動分析に出会い、行動分析家も音楽療法の有効性を認めた結果、この本になったのだと思う(そう書いてある)。

以下は、感想というより、ノートのようなまとめになってしまう。

Continue reading "読了『音楽療法士のためのABA入門』"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.01.10

読了『くらやみの速さはどれくらい』


エリザベス ムーン『くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)』

先月、文庫になっているが、自分は、図書館で単行本を借りて読んだ。去年読み始めたのだが、風邪で年を越してしまった。

初めに断ると、自分は自閉症については、責任を持つ関係者として関わっているので、通常よりも知識は多く持っているが、専門としては素人であるし、以下には色々と独断と偏見(先入観)が混じっているだろうと思う。まだ誤解している人もいるかも知れないので、自閉症が、生まれながらの脳の機能障害であって、心因性でない事は先に書いておく。

この本は、(アルジャーノンと同じく)梶尾氏が解説に書く通り、名作である。
この本は、自閉症に興味が無くても、必ず、読むべきだ。

「くらやみの速さはどれくらい」
この魅力的な題名(このタイトルは、小説中で、繰り返し色々なレベルで問われることになる)の本は、自閉症者の世界を、ほんの少し先の未来、恐らく、21世紀中頃、『幼児期であれば自閉症を直せる世界』を舞台に描いたもので、主人公はその治療に間に合わなかった最後の世代という設定だ。
主人公のルウ・アレンデイルは、(ルーチン的な)会話や生活に不自由の無い高機能自閉症者であり、かつ、高度なパターン認識を併せ持つ一種のサヴァンで、自閉症者特有の困難を持ちながら、多国籍企業の研究部門に就職して、(制度的な支援を受けながら)自活している。職場の企業は自閉症者の雇用で優遇税制を受けながら、彼らの特異なパターン認識能力を活用している(雇用条件がいいのはそのため)。ここは憶測だが、重度の自閉症者の内面を直接伺い知る事は出来ないため、こういう設定になったのではないだろうかと、著者略歴を見ながら思った。
いずれにしても、ある意味(社会への適応と言う観点から)で、ルウは、現在考えられる限りでの『理想的な自閉症者』となっている。
物語は、丁寧に主人公の日常と内面を追っていく。その文章は、とても自然で、主人公「ルウ」の一人称部分が徐々に自分の認識を変えていくのが判る。愛情のこもった語り口と言って良いかも知れない。彼の、パターンを見つける喜び、突然閃く『ノーマルな者』の視点からの(ある欠落に基づいた)認識、彼の現在認識を不意打ちして混乱させる他人の何気無い所作、彼らに対する世界(無理解な他人や上司等)の謂われない悪意が、1つ1つ丹念に書かれて、それらが彼らにとっての何を困難にするのか、(こういう丹念な書き方で表されるとは思っていなかったのもあって)非常な感銘を受けた。
しかも、その理想的な療育を受けた筈の彼らでさえ、知的に劣った者として扱われる社会に、リアリティを感じると共に、著者と共に絶望を感じてしまう。
(自らの過ちに由来するのか)医療関係者は理解したくないのかも知れないが、友人達でさえ、理解したいという思いのためにかえって、本当の彼の心、能力を実際には理解していない事が、一切の悪意は無くても、ますます、「居心地の悪さ」を増大させている事で、読む事自体が心苦しくなってくる。
読み進めていくうちに、特に、論理的に一貫していなかったり、何故か意味が掴めない会話を仕掛けて来る『世間』=『多数者』の側に問題があるように思えてくる。
ルウはまぎれも無い善人で、自分の能力を活かした仕事に就いて、セラピストには秘密だが、クラシック音楽を聴き、趣味のフェンシングを習い、ノーマル達とも平和に共存している。決して、不幸ではないし、居心地の悪さは、彼のせいではない。
しかし、その平和な生活に、職場、趣味の仲間、自分自身の心のうち、と3つのレベルで、変化が訪れ、ついに、ルウは、自身で変化を望み、自分自身の変化を決断する。
この部分が、アルジャーノンとは決定的に異なる、ところだ。状況が強いているのではなく、彼の自己決断なのだ。

Continue reading "読了『くらやみの速さはどれくらい』"

| | Comments (1) | TrackBack (1)

2008.01.18

反抗しないのは、

ブログ炎上を例に考えたら、相互監視や干渉の度合いが上がったからでもあるよね。
周囲から取り沙汰されて気がめげてしまう。ああしろこうしろと定まらず異なる価値観を押し付けられては。最近の言い方では心が「折れると」いうか。そんな気もする。

>>担保に入れたものが勝手に流された感じじゃないのかな。

“究極”の社員監視システム、MS開発…健康状態も把握

ちょっと怖い話、Microsoft Biometrics

マナーの新基準が必要な時期に来ている (その3)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.26

なんとなく

古書店を廻ってみて、発達障害についての新書を手に取った。
特に関心がある訳では無かったが、自閉症について、人間本来の姿だったのではないかと言う考察があった。つまり、現在の人間の視点(考え方、行動様式)は、進化(社会も含めてか)の過程で獲得したものであって、人間本来自然なものではないのではないかと。
つまり、自閉症の人々は、他人を認識しないと言う事、自己快楽に忠実であると言う事は、動物としては正しいのではないか?「心の理論」は、説得力も根拠もあるが、それが普遍的なあり方を示しているとは限らないと言う。
だから、国が違っても、同じ症例の自閉症がある程度のスペクトラムで現れるのではないかとも。

これは思い及ばなかった。

| | Comments (2) | TrackBack (0)